概要 | 本研究は戦後体制の改革や'戦後'という時代意識からの脱却を図って、動揺している現代日本の政治思想と社会思想、時代意識と時代感性、大衆文化を総合的に把握することを目標としている。 日本は戦後復興と経済大国への跳躍を経て、高度成長の衰退と国家的危機意識の高揚を経験している。 1955年体制の登場とともに、戦後の混乱が実質的に終焉したが、1960年代にも左派的感性の'革命衝動'が持続され、'戦後思想'と言われる時代意識が形成された。1970年代の高度消費社会にさしかかって、ようやく安保闘争が収まり、日米同盟を収容する社会的雰囲気が形成され、脱政治化が進展した。 しかしながら、日米同盟、平和憲法、象徴天皇制に表れている'戦後体制'を問題視する思想ㆍ文化談論は着実に再生産され、2000年代には戦後体制の打破を目的とする右翼の思想運動が本格的に再開された。 このような'戦後'のすべての規定性から飛躍して脱却しようとする'脱戦後'の思想と感性がどのように生成されているかについて捉えることが、今回の研究の課題だ。 | |
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研究責任者 |
趙寛子 (ソウル大) |
進歩: 戦後革命論及び左翼民族主義とアジア連帯の未来 |
共同研究員 | 張寅性(ソウル大) | 保守: 文化防衛論及び右翼民族主義から戦後体制変革論まで |
南相旭(仁川大) | 国際秩序の変動と生の安全: 不安と暴力表象 | |
黄盛彬(立教大) | 「親韓」と「反韓」の思想と感情 | |
正明(漢陽大) | 歴史修正主義の情念と哀悼の感性 | |
權爀泰(聖公会大) | 「戦後国家」の解体と再構成 (拡張)- 島尾敏雄の「ヤポネシア (Japonesia)論」とその周囲 | |
助教 | 林希炫 | ソウル大学国語国文学科博士課程 |
概要 | 本研究は1980年代まで、西欧資本主義の魅力的な代案として認識された、戦後日本経済システムが1990年代以降、長期不況とともに、どのような問題を露呈し、どのような構造調整の解決策を模索してきたのか、総合的に考察することを目標としている。 日本経済は1955年から1974年にかけて、年平均10%に迫る高い経済成長を達成し、米国に次ぐ第2の経済大国に浮上しており、内部的に大衆消費社会を経験するようになった。 オイルショック以後、設備投資主導型の高度成長が不可能になったにも関わらず、日本経済は安定的な経済性成長を続け、一時「Japan as No.1」と、西欧学界が評価したこともあった。 ところが、プラザ合意を契機に触発されたバブル経済と、その結果として現れた長期不況は、これまで西欧によって長所と評価されていた日本経済システム全般について疑問を提起するに至った。 金融危機、デフレ、労働者の非正規職化、製造業の競争力の低下、日本人口の高齢化、国際競争力の低下、円の変動幅の拡大などの多くの問題点が、各分野にわたってどのように現われており、これを解決するための対策がどのように展開されているかを考察するのが、今回の研究の内容だ。 | |
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研究責任者 |
林采成 (ソウル大) |
果たして規制緩和は有效だったのだろうか -低成長の中の規制緩和- |
共同研究員 | 丁振聲(放送通信大) |
日本経済は果たしてどこに向かっているのか -長期不況の構造的要因- |
金顕哲(ソウル大) |
超一流日本企業はどうして競争力を失ったのか - 超一流企業の危機と生存の生態学 - |
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呂寅満(江陵原州大) |
日本産業の競争力の基盤はどこにあるか -産業構造転換と主要産業の国際競争力の変化- |
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金東煥(金融研究院) |
日本的金融仲介機能はどのように変貌したのか -金融市場と資金仲介- |
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金容度(法政大学) |
政府の企業は今でも効率的な関係を維持しているか -政府と企業間の関係の展開と新しい模索- |
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キム・ヤンテ(聖公会大) |
日本的雇用システムの新しい構築方案はあるのか -経済不況と日本雇用及び労動システムの再構築- |
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助教 | 李龍雲 | ソウル大学東洋史学科修士課程 |
概要 | 本研究は1990年代以降、行われてきた日本社会不安定化の様相と構造的原因を考察して、日本市民がこのような社会の流動化に対応して、どのように新しい社会的な連帯を作っているのかについて理解することを目的とする。 研究主題を詳細に説明すると、ジェンダーの関係の変化、新しい青年層支援システムの構築、地域に基盤した労働組合の形成などについて見ることで、家族、学校、会社という次元で発生している社会的な連帯の再編様相を理解しようとすること。 また、超高齢社会という現実に直面して、都市あるいは農村で行われている地域再開発の様相と地域活性化のための実践を検討する。 一方で、東日本大震災という前代未聞の社会的危機の中で、日本市民は地震津波被害地域で崩壊された地域社会を再構成する過程も分析する。 このような地域社会の再構成化の過程で、従来の住民組織やNPOといった新たな団体がどのような役割を果たすかも主要な探求の対象になるだろう。 | |
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研究責任者 |
李垠庚 (ソウル大) |
近代家族の動揺と女性の道探し:'シングルマザー'の生活や認識に対する歴史的考察 |
共同研究員 | 朴志煥(全北大) | 学校-会社移行期の構造の変化と青年層支援システムの構築 |
陳泌秀(ソウル大) |
老人福祉と地域共同体:老人療養施設の構成や運営を中心に | |
李志遠(漢林大) | 地域自治団体と市民社会の関係再編;歴史的伝統と新しい様相 | |
金英(釜山大)) | 限定正社員制度の拡大と、パートタイム労働:スーパーマーケット産業を中心に | |
金喜敬(ソウル大) | 超高齢化日本の農村社会での地産地消運動の概念と実践方式の変化 | |
金銀惠(ソウル大) | 福島原発事故と日本市民社会の対応:被害と連帯と広域化 | |
助教 | 韓志明 | ソウル大学国際大学院国際協力専攻修士課程 |
概要 |
本研究は日本政治の保守化の様相を本格的に考察する作業として、保守化の表象と実体を区別して表現しようとする学問的努力だ。 右翼や保守は区別されなければならない。本研究は、右翼を扱うのではなく、保守や右翼の境界を意識し、保守の様相と問題を扱うことに重点を置く。 また、表象と政策を区分して、本研究は表象を扱うマクロ政治学と政策を扱うミクロ政治学として区分する観点を採択する。 日本の現在の状況は歴史的産物でありながらも、相当期間長く続くであろうという展望の中で、本研究は日本政治の中心が本来、保守に偏っていた構図の延長に立っていながら、一方で現在の日本の政治が以前の保守政治と異なる段階に進入し、良質転化を起こしているものとみて、具体的な例証を探し、その意味を把握しようとする作業だ。 日本政治における保守化を'生活世界における争闘'で示し、それが日本の長期的な構造変動でどのような意味を持つのかを分析することが、本研究の目標だ。 |
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研究責任者 |
南基正 (ソウル大) |
自衛隊: 「自主独立」の夢と日米同盟の現実 |
共同研究員 | 李京粉(ソウル大) | 君が代と黛敏朗 日本保守サウンドの象徴性 |
朴晋雨(淑明女子大) |
靖国: 「戦歿者追悼施設」と 「獅子儀礼の伝統」の間 | |
李根寬(ソウル大) | 領土: 「国際法」と 「固有領土論」の錯綜 | |
パク・サムホン(建国大) | 天皇: 「国民統合の象徴」から「民族文化の象徴」へ | |
金孝眞(高麗大) | ヘイトスピーチ: 保守と右翼の境界 | |
ナム・サング(仁川大) | 教科書: インターナショナリズムと愛国主義の重畳 | |
助教 | ヨン・チュナン | ソウル大学政治外交学部修士修了 |