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専門家招請セミナー

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フクシマ第一原発周辺で、翻訳不能なものの声を聴くー戦後日本の民主主義とその帰結 詳細情報
テーマ フクシマ第一原発周辺で、翻訳不能なものの声を聴くー戦後日本の民主主義とその帰結
発表者 磯前順一(国際日本文化研究センター 教授)
日時 2023年3月21日 12:30-14:00
場所 ソウル大学国際大学院(140棟) GLルーム / ZOOM
回次 274回
討論
2023年3月14日、第274回日本専門家招待セミナーがソウル大学の国際大学院140棟GLルームにてハイブリッド形式で開催された。会場には16人の参加者、オンラインは20人が参加した中、国際日本文化研究センターの磯前順一教授が「フクシマ第一原発周辺で、翻訳不能なものの声を聴く─戦後日本の民主主義とその帰結」というテーマで発表をした。発表内容は以下の通りである。
発表者はまず、人類学者タラル・アサドの「翻訳不可能性」の概念を説明した。続いて、東日本大震災の原子力災害伝承観、東京電力廃炉資料館及び現地に住む方々のインタビューなどを紹介しながら、福島からの声を詳しく提示した。また、人間の形ではなく、魂の慰霊がどのように行なえるのかを、ドイツ映画「Grüße aus Fukushima」(2016)を通じて説明した。
発表後、質疑応答が行なわれた。被害記憶の忘却と解決の可能性についての質問があった。発表者は忘れることは不可能だと答え、精神分析における抑圧と否認の概念について説明した。さらに、長時間にわたって受け入れる過程が必要であることを力説した。さらに、原発維持や技術に対する期待、福島に残っている人々に対する差別的な発言、翻訳不可能性、鎮魂叙事などについての議論が行われた後、セミナーが終わった。
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