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専門家招請セミナー

Seminars by Invited Experts

日本の公的開発援助:経済・安全保障連携の新たな傾向 詳細情報
テーマ 日本の公的開発援助:経済・安全保障連携の新たな傾向
発表者 鄭憲周 (延世大学行政学科教授)
日時 2022年5月24日(火) 12:30-14:00
場所 Zoom Webinar
回次 265回
討論
2022年5月24日、第265回日本専門家招待セミナーがオンラインで開催された。 20人余りの参加者が出席した中、鄭憲周(チョン・ホンジュ)延世大学行政学科教授が「日本の政府開発援助:経済・安全保障連携の新たな傾向」という題目で発表を行った。発表内容は以下の通り。

発表者は政府開発援助(ODA:Official Development Assistance)の概念説明と日本の政府開発援助の歴史を簡潔に提示した。冷戦時期の政治・経済利益の向上に焦点を置き、援助戦略を追求していた。また、脱冷戦期を迎え、気候変動と災害対応、テロリズム防止、平和構築などに焦点を当てた援助政策に切り替えた。 しかし、2010年代以降、日本の政府開発援助は国際援助規範から離れる傾向が見られる。発表者は、こうした日本の政府開発援助政策の転換について、国内的変数として経済利益援助を重視したガバナンス、国際的変数として中国の台頭と役割を挙げて説明した。

発表が終わった後、質疑応答が続いた。 1945年以降、日本がアジア諸国にしてきた賠償援助が終了したこと、さらに、2012年安倍政権が発足したことで、戦後体制からの転換を図り、国際社会先進国としてODAを活用することになったという点から、国際情勢の変化がもたらす日本政府開発援助に対しての影響について質問があった。これに対して発表者は影響の可能性はあると示し、日本が援助をしても日本企業が受注することで実質的受益者が日本になる場合についても批判的な意見を述べた。加えて、理想的な援助方式、水源国のうち援助効果が成功裏に導いた国家、経済安全保障概念、中国の援助受益国に対する日本のODA戦略変化などについて質疑・議論が行われた後、セミナーが終了した。
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